妻中便り

海外短期研修_タイ チェンマイ スタディツアー レポート

タイ・チェンマイ・スタディツアー2023 レポート

2023年夏休みに実施された本校の世界6か国での海外短期研修のプログラムで、語学修得を目的とするのではなく、グローバルな視点とローカルな視点の双方から、自身で課題を設定し、クリティカルに考え、多様な価値観を持つ人たちと協働してその解決を探究していくのが、このタイ・チェンマイスタディツアーです。 このプログラムは、大妻中野のSGH(スーパーグローバル・ハイスクール)としての取り組み、カリキュラム開発のコアとなってきたプログラムです。 こちらも2019年以来、4年ぶりに実施されました。

このプログラムでは、一緒に引率をした教員が、「自分の考える当たり前を増やそう=(「あり得ない」を減らそう)」とスタディーツアー中の振り返りミーティングで、参加生徒に伝えました。

8月9日から15日までの日程で行われたタイチェンマイスタディーツアーはまさに、さまざまな価値観を受容し、自分のものさしを広げるプログラムです。私たちはどうしても日本の常識、学校の常識、家族の常識を当てはめ、そこから外れる「異質」なものを文字通り「異質」と捉え、ときには排除しようとします。このスタディーツアーでは、自らチャレンジし、自らの体験、経験から考え、判断して学びとっていくプロセスを大事にしています。チェンマイでは、ゾウの糞から紙を作る体験や、現地の高校生と一緒に伝統音楽や舞踊を体験したり、現地の一般市民の行く市場を見学するなど、タイの文化に浸る1週間でした。

タイの料理は辛すぎる!、飲み物は甘すぎる!、シャワーから茶色い水が出る!これらはどれも自分の狭い常識と照らし合わせた感想に過ぎません。それぞれ、タイでは「当たり前」のことなのです。そしてその当たり前には全て背景があります。タイの風土、文化、社会を背景に形成された「当たり前」を納得して受容し、自分の「当たり前」に組み込んでいく、これが異文化理解なのではないかと感じます。このことに自らのチャレンジ、体験から気づき、ものさしを広げ、みんな大きく成長していきました。

今年度のタイスタディツアーは、4年ぶりの開催のため、例年よりも少ない日数で行いましたが、サンパトンウィタヤコムスクールと引き続きMOUを結び、相互の交流を深めました。子どもたちは自分のものさしの変換に最初は戸惑いながらも、チェンマイの高校生と一緒に行動し、コミュニケーションをとる中で、自らの価値観の幅を広げていきました。お互い英語は第2言語でなかなか通じないもの同士です。また、日本語もタイ語も思うようには通じません。そのような状況の中でお互い助け合い、少しでも理解を深めようとする中で絆が生まれ、たった数日間行動を共にしただけですが、深い友情が生まれました。そして、タイの料理も大好きになって帰ってきました。このツアーでネガティブな発言をする人は誰もいません。このことは、自分の「当たり前」をみんなが増やしたことを物語っています。

このスタディーツアーの目的は異文化理解や日タイ両国の課題発見・解決だけでなく、価値観の受容から生まれる自己変革、価値観の違うもの同士のコミュニケーションから生まれる共感的理解から、人として、そして地球市民として包容力のある人間の形成にあります。久々の開催ではありましたが、個々の価値観の変化がダイナミックに伝わってくるタイチェンマイツアーの醍醐味は今年も健在でした。また来年も、自分のものさしを広げたい人を心待ちにしています。

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