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中野から世界へ – 第9回グローバル教育発表会 開催しました!

中野から世界へ – 第9回グローバル教育発表会 開催しました!

2月15日、第9回目を迎える本校の「グローバル教育発表会」が、日本国際連合協会のサポートと元国連大使の赤阪清隆大使、元シンガポール全権大使の竹内春久大使を始め、本校を指導してくださっている大学の先生方の参観のもと、なかのzeroホールで開催されました。

今年は3年ぶりに会場に観客を入れ、かつライブストリーミングでも配信するという完全ハイブリッド型での実施となりました。会場には、本校の教育を支援してくださっている日本国連協会、大使、大学の先生方、企業の方など多くのゲストの方を招いての開催となりました。また、同時にオンラインで、フランスやシンガポールから、国内のユネスコ・スクールの先生方からの参観をいただく会となりました。

この発表会はコンテスト形式によるTEDスタイルの英語プレゼンテーションと本校のグローバル教育、21世紀型スキル教育の成果を発表するグループ・プレゼンテーションの2部から構成されています。

第1部の中学3年、高校1年の選抜された生徒による英語プレゼンテーションと審査員との英語による質疑応答では、ユネスコスクール・として、全校をあげて取り組んでいるSDGsトピックと国連が指定している国際デー (International Day) について、リサーチ、ソリューションの発表を行いました。これは、英語で「発表する力」、「議論する力」の総合的な力の成果を競い合い、お互いにシェアするものです。

特に優れた発表をした生徒とグループには「国連協会長賞」が授与され、表彰を受けました。

また、第2部では本校のフランス語教育やICT教育への取り組みの成果を紹介するために、フランス語授業の成果報告として、フランコフォニーへの取り組み、フランス提携校での留学レポート、IT分野の活動を行うS-TEAMからは、様々なITを活用した活動の成果発表と今後に向けた取り組み予定を披露しました。

この会の冒頭では、酒井直人中野区長からの特別メッセージも動画で共有されました。

「世界に開かれた中野!という価値を共有して、学びと世界から地域への課題に取り組んでいる大妻中野中学校・高等学校の皆さんは、中野区の誇りです。この発表会での成果を大いに期待しています。」とのメッセージがありました。

続いて、key note speechとして、元シンガポール全権大使の竹内春久 大使は次のようにアドバイスをしてくだいました。

「パブリック・スピーキングの力を向上させるためには、3つのポイントがあります。まず、ひたすら Practice.  様々な機会をとらえ、練習を繰り返すこと。次に、その内容。伝えるべきメッセージをしっかり考える。そのためのリサーチ。そして、何より、その土台となる好奇心。私はこの大妻中野の発表会にこれまで招かれて、皆さんのスピーチの力、英語、フランス語の力に目を見張り、素晴らしい環境の学校だと確信しています。今日の皆さんのプレゼンテーションは、さらに成長した皆さんの力を感じることができると期待しています。」

本校の英語プレゼンテーションとこの発表会のスーパーバイザーである大妻女子大学・大学院教授の服部孝彦先生からは、改めて、世界で通用するプレゼンテーションをするために必要なポイントは何かを、アメリカの大学院でプレゼンテーション技法、スピーチ技法を指導された理論と体験をもとにわかりやすくアドバイスがありました。

この発表会の様子を、参観された本校ユネスコ・スクール支援アドバイザーでもある玉川大学教育学部教授 小林亮(こばやしまこと)先生のお言葉でレポートしたいと思います。

大妻中野中学校・高等学校のみなさん、今年度もグローバル教育発表会でのすばらしいご発表ありがとうございました。 みなさんが全力を尽くして準備された成果発表に深い感銘を受けました。それは、みなさんが発表を準備された際の入念な調査や質の高いスピーチ構成もさることながら、何よりもこの世界の現状をより良い方向へ変えてゆこうとするみなさんの強い真摯な情熱がこちらにひしひしと伝わってきたからです。

大妻中野中学校・高等学校は2022年11月にユネスコスクール(ASPnet)に正式加盟されました。 本当におめでとうございます。心からお慶び申し上げます。ご承知の通り、ユネスコスクールは国連の専門機関であるユネスコが1953年に創設した世界的な学校間ネットワークです。日本国内だけで1,100校を超える加盟校があり、全世界では182ヶ国に約12,000校の加盟校を擁する一大ネットワークです。ユネスコスクールは、平和、民主主義、人権、持続可能性、地球市民性、異文化理解といったユネスコが提唱し、SDGsにも明記されている普遍的価値の推進拠点です。つまりみなさんはユネスコスクールに加盟されたことで、これらの普遍的価値に基づいて現実の世界をより平和で持続可能な世界に変容させていくリーダーとしての責任を引き受けられたことになります。また貴校はユネスコスクール加盟校として、全世界に広がる12,000校のユネスコスクールと深い絆で結ばれたパートナーになられたわけです。

慢性化するコロナ感染症もさることながら、ロシアのウクライナ軍事侵攻、気候変動による激甚災害、国際対立の尖鋭化、格差社会による分断など、私たちの世界はさまざま意味で人類社会の持続可能性を揺るがす危機状況に直面しています。しかし人間の真価は平穏時よりもむしろ危機状況においてこそ発揮されるものです。グローバル教育発表会で世界の諸問題に対する鋭い現状認識とそれらの問題の解決に向けたユニークで創造的な解決案をみごとに提示されたみなさんは、学習者としてだけではなく、世界の変容へのイニシアティブをとるリーダーとして、すばらしい活躍をしていって下さるに違いないと確信しています。グローバル教育発表会で示されたみなさんの学習成果に大きな拍手をお送りすると同時に、よりよい未来の構築者としてのみなさんの成長と活躍に心から期待しています。」

―小林亮  先生 玉川大学教育学部教授(発達心理学)本校ユネスコ・スクールASP UnivNet支援アドバイザー

この会の締めくくりとして、本学校法人・大妻学院を代表して、伊藤正直理事長から、本校のこの会をサポートいただいた日本国連協会と参加、視聴していただいたすべての皆様へのお礼がありました。 この場をお借りして、改めて御礼申し上げます。

 

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