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日本外国語教育推進機構・上智大学国際言語情報研究所シンポジウムで研究発表

2022年3月13日にオンラインで開催された本外国語教育推進機構(JACTFL)と上智大学国際言語情報研究所(SOLIFIC)の主催によるシンポジウムで本校生徒が研究発表を行いました。

このシンポジウムは、「外国語教育の未来を拓く:持続可能な未来を創るための外国語教育」というタイトルの元、日本外国語教育推進機構と上智大学国際言語情報研究所が主催して開催された全国の大学、高校、中学を始め、様々な教育機関で外国語教育に関わる方々の研究成果発表のプラットフォームです。文部科学省、外務省、東京都教育委員会が後援となり、日本全体の外国語教育の発展に寄与することを目的としています。オンラインで開催され、280名を超える方々が参加されました。

第一部は、カリフォルニア大学サンディエゴ校教授の當作 靖彦先生による「魅力的な外国語教育とは―外国語を教えない外国語教育―」と題したご講演で「外国語教育の真の目的とは?」、「英語教育=外国語教育ではなく、今こそ、日本で様々な外国語の教育が求められていること」をご自身のアメリカの大学での長年の日本語教育実践に基づいた経験と知見からお話しされました。

それを受けて第二部では「高校生・大学生の取り組み」として、本校と神奈川県立藤沢総合高等学校、慶應義塾大学の英語以外の外国語教育の取り組みが発表されました。本校からは、フランス語教育の取り組みを土台として「英語以外の外国語を中高生が学ぶことの重要性」と「ICTを活用したその具体的実践法の提案」についての研究を、高校3年生の石橋 瑞葵さんが発表しました。

「複言語学習でグローバルな人材を育成する!」と題された研究発表。石橋さんはまず、南アフリカの元大統領 ネルソン・マンデラ氏の言葉を紹介しました。

“If you talk to a man in a language he understands, that goes to his head. If you talk to him in his own language that goes to his heart.” 「相手が理解できる言語で話せば、それは伝わる。相手の言語で話せば、それは心に響く。」

そして、以下のような要旨の発表を行いました。

「グローバル人材育成推進会議中間まとめ」(2011 年)によるグローバル人材の概念を受け、私は「複言語の学びを通して異文化理解を深め、言語も文化も異なる他者を尊重し協働できるスキルとマインドを併せ持つ人の育成」が必要だと考える。複数の外国語を学ぶ機会を保障することは、多様な言語で表現される文化や価値観を相対的に眺めることができる幅広い視野と複眼的で柔軟な思考を育てるのに非常に効果的であり(JALP)、他者を配慮し受け入れる寛容の精神や平和・国際貢献などの精神の獲得へと繋がる(小学校指導要領外国語編)。EUでは母語+二外国語が必修化されているが、日本の中学校では英語以外の外国語の開設は全体の約0.22%と極めて少ない(文部科学省 2016)。

以上により、「オンライン複言語サービス」の導入による第二外国語教育の必修化を提案する。すべての中高生が複数の外国語を学習するために、高い言語運用能力の習得を目的とせず、言語の背景にある文化を学べる動画配信やオンライン授業を実施する。扱う言語は国連公用語を含む20言語とすれば注目されにくい言語も手軽に学べる他、学校の地域や規模に捉われず均一なサービスを提供できる。この主張は私自身が中学校で初めて仏語を学び、フランス長期留学をした体験に端を発する。複言語学習をしたからこそ学び知る喜びを再認識し、自分の中に潜んでいた才能、情熱、そして夢に出会えた。」

石橋さんの発表は、日本の中等教育で英語以外の外国語を学んでいる生徒が全体のわずか約1.5%(高等学校)という現状を変え、複数の外国語を学ぶことで、世界の多様性を理解、体感し、そこから共生への意識とスキルが獲得できることを強く訴えるもので、多くの先生方の称賛を得ました。

本校は、「中野から世界へ」を合言葉に、多様性を活力とした「協働」、世界全体への「貢献」のために、複言語という価値観と行動を大切にして教育に取り組んでいる「グローバル教育校」です。石橋さんの発表はまさに本校の教育の特徴が結集したものとなりました。

 

 

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