妻中便り

高2歴史研究旅行見聞録⑥

短い期間でたくさんの仏像を目にすると、妻中生それぞれにだんだんと、自然に
心が惹きつけられる様式、表情、たたずまいが定まってくるようです。
耐震工事中で仮講堂にギュウッと貴重な仏像が集まった興福寺では、ローファーの
足がフッと止まる場所の違い、視線が向かう方向の違いを眺めるのも面白く、
仏像と説明書きとを交互に何度も凝視する姿に、工事が終わった興福寺にも、また
訪れてくれるだろうな…と期待してしまいます。

奈良の地に別れを告げると、次に妻中生を迎えてくれたのは、栄華を極めた天下人の
威信をかけ、贅を尽くした仏教建築。
10円玉のアレ、なんて気安く?踏み入れた足が、浮かんでいた笑顔が、鳳翔館で
キュッと引き締まり、一瞬動きをなくします。
圧巻の美、とはまさにこういうものなのでしょう。
1000年近く前に絢爛と輝く鳳凰堂を目にした平安の人々はどれほど驚いたこと
でしょうか。そして、豪奢に彩られた極楽浄土にどれほど強く憧れたことでしょう。

明日からの自主研修。出来たてのお豆腐をはじめ、京都を感じるおいしいご飯を
堪能し、気持ちを盛り上げます。
先人たちの遺したもの。古都に息づく「伝統」の感触。
見たい!と期待を抱き、計画を練った場所から、今日味わった以上の感慨を得る
ことが出来ますように!

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