妻中便り

高2歴史研究旅行見聞録②

法隆寺で1400年以上の長い長い時間息づいてきた宝物たちを
もっとじっくり観たい!気持ちを引きずるようにして乗り込んだ
バスは、薬師寺へ。
「グレーと白のシマシマが見えますやろ?あの中に東塔が入って
るの。いま修復工事中やからね。」
東塔が建造物の宝石、と讃えられた美しい姿を再び見せてくれるのは、
東京オリンピックが開催される2020年。
その頃には晴れて大学生。
スッポリとカバーで覆われていた東塔を思い出し先人たちの偉業を
後世に継いでいくことの重みを感じ取ってくれたら…と願わずには
いられません。

朱塗りの柱と白壁とのコントラストに魅せられつつ、ホワイトボードが
置かれたコーナーに並んで座ると…笑いと感動のトークショーが突然
スタート!!
大きな目とよく通る声が印象的な、自称「坊さん」こと村上さんの
お話は、軽快すぎるくらいにテンポの良いツッコミがポンポンと
差し挟まれ、法話の世界にグイグイ引き込まれます。
「昔の人たちが遺した光を観る、だから観光でしょ?光には必ず陰がある、
その陰に感謝するのが、お陰さま、でしょ?」

絶えず笑い声をあげながらも、必死でメモをとる妻中生たちの目が、
笑い過ぎて、ではなく浮かんでくる涙。
「坊さん」のお話が心の深い部分に響いているのでしょうね。
今日から「観光」という文字を書くとき、「光」を書き迷うことが
なくなるのではないでしょうか。

たくさん歩いてたくさん良いものを見て、良いお話を聴いて、パンパンの
心身、今夜はぐっすり眠って、また明日に備えます。

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