妻中便り

「夢の輪」を弦にのせて(箏曲連盟定期演奏会)

毎年何らかのニュースで賑わう成人式の日。

晴れやかな顔で集う新成人たちが身にまとう晴れ着の中には、かなり大胆なアレンジを

加えたもの、変わった着こなしで着付けたもの、斬新な飾りを施したもの…記念すべき

一日を彩るべく創意工夫にみちた姿が多数見つけられます。

着物はむかしの人と同じように着るものだ、という既成概念にとらわれない自由な発想が

思いもよらない華やぎを生み出すのでしょう。

落語や歌舞伎、茶道や華道の世界でも、伝統に風穴を開けるニューウエーブが活発化

しているようですね。

 

雅楽の世界も新しい発想が自由な「音」を新たに生み出しています。

箏曲院の会長でありながら、自らバンドでギターも弾きこなす沢井比河流さんによって

作曲された箏曲、『夢の輪』。

いくつもの調べが重なり、からまり合い、聴き手ごと包み込むような幻想的な旋律。

「この曲に挑戦したい!」というのが箏曲部高校2年生の悲願でした。

 

1月8日・成人の日、板橋区民会館ホールにて行われた平成29年度・全国高等学校

箏曲連盟定期演奏会に出演した大妻中野箏曲部は、大舞台でこの難曲にチャレンジ!

ずっと演奏したかった曲を人前で披露できるなんて、本当に嬉しいことです。

8分近くに及ぶ大作ですが、全員の音が合わさった迫力で弾き手自らグングン曲の

世界に引き込まれ、弾きおおせてしまいます。

 

ご報告が遅くなってしまいましたが、この週末に開催された第9支部親睦音楽会にて

中学生たちが魂のステージをつとめあげる前、先輩たちも大きな挑戦をしていたのでした。

伝統から新しさを生み出す気概。

妻中箏曲部の歴史に、ひときわ鮮やかな、新しい1ページが加わりました。

 

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