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聞き書き甲子園 – 活動報告会@富山県氷見市 – 農林水産大臣賞受賞生徒レポート

 第23回 聞き書き甲子園 – 活動報告会レポート@ 富山県氷見市 H3 小林華音さん 

第23回聞き書き甲子園 – 本校生徒(農林水産大臣賞受賞)による活動報告会レポート from 富山県氷見市 –

2024年度に実施された第23回「聞き書き甲子園」(農林水産省・文部科学省・環境省・公益社団法人国土緑化推進機構・NPO法人共存の森ネットワーク主催)で、農林水産大臣賞を受賞した本校高3の小林華音さん。その取り組みが現在も高く評価されています。

「聞き書き甲子園」は、全国から選ばれた高校生が森や海・川の“名人”を訪ね、その知恵や技、人生観を“聞き書き”によって記録し、未来へと受け継ぐプロジェクトです。世代を超えて人と自然をつなぎ、持続可能な社会を築くことを目的としています。

大妻中野は、「持続的なよりよい社会の創造」をスクールミッションとし、「繋ぐ・行動する -“Beyond School”アプローチによる協働型の地球市民教育の構築」というテーマを掲げ、文部科学省WWL(ワールドワイドラーニング)拠点校として、“Beyond School”のアプローチによる協働的な地球市民教育を推進しています。 小林さんの活動と成果は、生徒一人ひとりが自らの学びと挑戦の場を見出す取り組みのモデルです。

10月上旬に富山県氷見市で行われた活動報告会では、小林さんが自らの経験と学びを発表しました。ここでは、その報告の内容をご紹介します。

聞き書き甲子園 -  活動報告会レポート@富山県氷見市 H3 小林華音さん

10月4日に富山県氷見市の「ひみりべ。(※1)」にて、第23回聞き書き甲子園の活動報告会が開催されました。「ひみりべ。」は、第23回聞き書き甲子園で富山県氷見市を高校生の受け入れ先とし名人たちに取材協力を依頼してくださった、一般社団法人D-liveが運営している中高生のためのコミュニティスペースです。

※1.「ひみりべ。」のHP https://himilive.studio.site

また、この活動報告会の様子は北日本新聞に掲載されました。(※2)

※2.名人からの「学び」を発表 氷見で「聞き書き甲子園」報告会https://webun.jp/articles/-/895434

活動報告会では、聞き書き甲子園を通じて学んだことを発表しました。私が昨年取材させていただいた船大工の番匠光昭さんや氷見班のメンバーが取材した名人、地域の方や新聞社の方が来てくださいました。私は、取材を通じて、船大工という自然と密接に関わる仕事をされている番匠さんの「自然が失われつつあるんや」「観光客はいるけど、少子高齢化が進んでいる」という言葉から環境問題と地方創生に興味を持ったこと、全国の多様なバックグラウンドを持つ高校生たちと一緒に活動したことで向上心が高まったことなどを話しました。

聞き書き甲子園としての活動が終了した後も、学校HPでの発信や授業での発表など現状を知ってもらうための活動を大切にしてきたため、今回実際に取材地で発表をおこなうことができ、良い経験になりました。見に来てくださった方々が興味深く話を聞き、私に「聞き書き甲子園の活動だけでなく、環境問題への意識や自身の学び方を工夫するなどしていて素晴らしい」「すべてを向上心に変えられるのはすごい」といったメッセージカードをくださいました。発表の場はとても温かい雰囲気で、名人たちを交えて楽しく意見交換ができました。来てくださった名人たちが私たちの発表を嬉しそうに聞いていて、それぞれ良い関係性が築けたのかなと思いました。

氷見班のメンバーたちも、3月におこなわれた成果発表会の時よりも深い内容を発表しており、取材での経験や現在取り組んでいることを笑顔で話していたのが印象的でした。やってみたい、自分を変えたいという想いで聞き書き甲子園への参加を決めた私たちが、一連の活動を通じて得た経験を活かしてそれぞれの興味を深めており、刺激を受けたと同時に参加前には考えていなかったほどの多くの学びや人との繋がりに恵まれ、本当にかけがえのない経験になりいろいろな面で成長できたのではないかなと思っています。

活動報告会終了後、番匠さんに「工場(こうば)見に行かんか」と誘っていただき、一年ぶりに仕事場に連れて行っていただきました。 昨年の取材時は船づくりをしていない時期だったので、番匠さんが製作した船が展示してある氷見市立博物館で説明を受けたり、文化庁制作の番匠さんによる造船の様子が収められたDVDを見たりして技術を学んだのですが、今回は実際に製作過程を見ることができました。

今製作している和船はイベント用のものだそうで、現在は漁業用のものではなく、イベントや中学校、高等学校の海洋水泳用に製作するのがメインだそうです。今年の7月にも筑波大学附属中学校用に「氷(ひ)富(ふ)丸(まる)」という船を製作されました。「和船はもう失われてしまうと思っていたけれど、イベントや学校の海洋水泳用につくることで和船を継承していけるんじゃないか、ということに気づいたから、その関係を大切にしていきたいと思っている」と話されていました。先日も「ダイノセ儀式をした(※3)」「進水式の様子がネットニュースに取り上げられた(※4)」といった近況を連絡してくださったり、来年の春頃におこなわれる「春さくら天馬船」という番匠さんが製作した船を用いたイベントにも誘ってくださったりしました。昨年取材させていただいたときは、取材活動自体が迷惑なのではないかという不安があったのですが、今では心を開いてくださったのかなと思い、とても嬉しかったです。

※3.ダイノセ儀式

※4.筑波大付属中の海洋水泳 監視用の木造和船を新造 – 南房総(千葉県)とその進水式https://news.yahoo.co.jp/articles/b1a7629d00e01e6920a54823e289089795687b5e

番匠さんの仕事場には、活動報告会に参加した氷見班全員で行ったのですが、初めて和船の道具を見るメンバーたちの質問に番匠さんが終始笑顔で丁寧に説明し、メンバーたちが熱心に耳を傾けていたのが印象的でした。私が取材の時にしなかったような質問もあり、番匠さんの和船に対する想いや道具についてより知ることができました。

昨年の取材や3月におこなわれた成果発表会、そして今回の活動報告会を経て、聞き出すことでその方のお人柄や人生が浮かび上がることを実感したため、発信だけでなく聞き出す力も高めていきたいと考えるようになりました。成果発表会でトークセッションをおこなった阿川佐和子さんの、番匠さんに対する質問の切り口が強く心に残ったので、現在、阿川さんの著書である『聞く力』を読み進めており、大学進学後も大切にしたいと考えているフィールドワークに活かしていきたいと思っています。また、来年度以降は、高校生の活動を支えるGL(グループリーダー)として聞き書き甲子園に再度携わり、氷見市との関わりも大切にしながら、まだ見ぬ地域の魅力を見つけ、高校生たちとその感動を共有していきたいと考えています。

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