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東京電機大学理工学部との協働 – WWL拠点校として最新の大学の学びを! 

高大連携 プログラムレポート 東京電機大学への訪問と授業体験 ― 最先端の学びと研究に触れて

本校は、文部科学省からWWLコンソーシアム構築支援事業拠点校として採択を受け、国内外の大学や企業、国際機関等と協働し、探究的な学びの実現を目指す学校で、大学と連携したプログラムに積極的に取り組んでいます。

今回は、東京電機大学の先生方と連携し、大学での学びや研究の可能性を実感する機会として、本校の高校1年生が7月に東京電機大学理工学部の鳩山キャンパスでの実験授業を受けました。午前中は、宮崎翔准教授による「アセトアニリドの合成実験」に参加しました。アセトアニリドは解熱鎮痛成分を有する有機化合物で、高校化学でも扱われるテーマです。参加した高校1年生は有機化学をまだ履修していませんでしたが、事前に基礎を学習し、万全の準備で臨みました。

宮崎先生は、有機化学の基礎から合成経路までを高校生にも理解できるようわかりやすく解説し、さらに大学での学び方や発展的な研究とのつながりを示してくださいました。実験では、手順や試薬の取り扱いに加え、生成物の成分や性質まで幅広く学びました。特に、TLC(薄層クロマトグラフィー)による生成物分析や合成収率の算出は、高校の授業ではなかなか経験できない高度な内容で、生徒たちは一層の興味を持ち、成果が得られた瞬間には達成感と喜びに満ちた表情を見せていました。

昼食は、本校卒業生2名とともに、卒業生がデザインしたというスタイリッシュな学食でとりました。初めての大学食堂に少し緊張しながらも、生徒たちは笑顔で食事を楽しみ、卒業生から大学生活のリアルな話を聞く中で、未来への期待を膨らませていました。

 1.理工学部生命科学系(細胞生化学研究室)
ここでは、生きたがん細胞を顕微鏡で観察し、細胞培養の設備や器具を見学しました。細胞の育成方法や研究成果の社会的応用について直接説明を受け、生命科学が人々の健康や暮らしを支える可能性を肌で感じることができました。

2.理工学部情報システムデザイン学系(内部観測研究室)
卒業生が所属するこの研究室には、多数のPCや大型計算機、数式で埋め尽くされたホワイトボードがあり、数学や情報科学の最前線を感じさせる環境でした。卒業生からの経験談やアドバイスを通じて、生徒たちは大学進学後の学びと生活の姿をより具体的に描けるようになりました。

3.理工学部電子情報・生体医工学系/電子工学系(応用医工学研究室)
人工臓器や人工血管、ペースメーカーなど、医療の未来を切り開く研究が進められている研究室を訪問しました。実物を手に取った瞬間、その軽さや小ささに驚き、最新技術の精密さを実感しました。「下町ロケット」撮影協力の話もあり、ものづくりの現場が社会や文化にまで広がっていることに感銘を受けました。電子回路の実習見学では、研究の実践的な一面も垣間見ることができました。

4.図書館・ものづくりセンター
大学図書館は、豊富な専門書と学習環境が整った知の拠点でした。試験前ということもあり、多くの学生が真剣に勉強しており、その雰囲気から学問への集中力と意欲が伝わってきました。「ものづくりセンター」では、数多くの3Dプリンターやレーザー印字機が並び、創造力を形にするための設備が充実していました。日常では触れる機会の少ない機器に生徒たちは目を輝かせ、時間を忘れるほど熱心に見学していました。

今回の訪問を通じ、生徒たちは教科書を超えた学びに触れ、研究の社会的意義や可能性を肌で感じることができました。東京電機大学の先進的な施設と、学びを支える人々の情熱は、生徒たちにとって将来の学びへのモチベーションを大きく高めるものとなりました。この体験は、大学進学やキャリア形成を考えるうえで、確かな指針と希望を与えるものとなったといえます。

5.参加生徒の振り返り

【生徒A】
東京電機大学の有機化学実験授業参加とキャンパスツアーを通して、今まで知らなかったことを知ることができ、多くの新しい発見がありました。とても貴重で有意義な体験となりました。

有機化学実験では、アニリンからアセトアニリドが生成されるまでの過程を実際に行い、その反応の仕組みをより深く理解することができました。また、実験器具や装置の正しい使い方、実験を行う上での注意点についても丁寧に教えていただき、新たな知識を得ることができました。

キャンパスツアーでは、これまで入ったことのなかった大学の研究室を見学し、大変興味深い時間を過ごしました。東京電機大学の研究室は大きく3分野に分かれており、生命科学、情報システム工学、電子情報工学のそれぞれで、置かれている装置や研究内容が全く異なっていました。どの分野にも初めて見る設備や試作品が数多くあり、「実際に使ってみたい」と強く感じました。

約1日を通して大学での学びを直接体験し、勉強へのモチベーションも高まり、今後さらに頑張ろうという気持ちが強くなりました。今回得た学びと刺激を、今後の学校生活や進路選択にしっかりと活かしていきたいです。


【生徒B】
午前中は「アセトアニリド」の合成実験を行いました。吸引ろ過装置を使ったり、薄層クロマトグラフィーで生成物を確認したりと、これまで経験のなかった実験方法を体験することができ、とても楽しかったです。分析の結果、市販のアセトアニリドと自分たちで合成したものの結果が一致し、実験が成功したときは大きな達成感と喜びを感じました。

午後のキャンパスツアーでは、がん細胞を顕微鏡で観察したり、応用医工学研究室で人工肺・人工心臓・人工血管などの医療機器を実際に見たり触ったりしました。人工臓器の存在は知っていましたが、直接手に取ってその質感や大きさを確かめられたことは貴重な経験でした。

また、ものづくりセンターでは、実際に製作中の場面を見学し、最先端の設備や学生の創意工夫に触れることができました。今まで大学説明会やオープンキャンパスに参加したことはありましたが、ここまで研究や製作の現場に近い形で見学できたのは初めてで、とても新鮮で楽しい時間でした。この経験をきっかけに東京電機大学への関心が高まりました。これからも、このような実践的な学びの機会があれば積極的に参加していきたいです。

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