グローバル
第6回ユネスコスクール関東ブロック大会@成蹊大学 – グローバル課題に向かい合う
本校は、ユネスコスクール加盟校として、「建学の精神 『学芸を修めて人類のために』及び校訓『「恥を知れ』」に基づき、地球市民として、Society5.0における持続的なより良い社会の創造と自らの幸せを紡ぐことのできる人材の育成を目指します。」 というスクール・ミッションを掲げて、教育活動を進めています。
今年は、8月7日に、成蹊大学で開催された第6回ユネスコスクール関東ブロック大会に参加、玉川大学、都立山崎高等学校(ユネスコスクール)の皆さんと一緒に、「SDGsに主体的に向き合える地球資金の育成 – 若者エンパワーメントの新たな挑戦」 というテーマのもと、公開討論を行いました。 (以下、公式HP)
https://www.seikei.ac.jp/gakuen/esd/unesco_2025/

今回の大会で、本校は、大妻中野の先進的な生徒主体の探究プロジェクトチームである「フロンティア・プロジェクト・チーム」が進めてきた「生物多様性や絶滅危惧種に関する課題を探究し、その課題解決を通して、持続可能な社会の構築へ貢献する」ことをテーマとして、分科会グループ1を主導しました。
また、都立山崎高校のグループは、「ポストSDGs(2030年以降の新しいSDGs)を考える上で、現在の取り組みを振り返る」テーマでの議論です。 本校と都立山崎高等学校のそれぞれの主催した分科会グループ1、2のワークショップの振り返りと成果・展望を共有しました。
本校ユネスコスクール指導 玉川大学教授 小林 亮 先生から
分科会Aは「SDGs に主体的に向き合える地球市民の育成-若者エンパワメントの新たな挑戦」というテーマのもと、玉川大学教育学部の学生、大妻中野中学校・高等学校の生徒、東京都立山崎高等学校の生徒の3校による高大連携ワークショップを実施しました。
参加者全体を異なるテーマを扱う2つのグループに分け、それぞれのグループで2時間、平行して話し合いを進め、以下の成果物を共有します。
- グループ1:テーマ「生物多様性の保全に向けた絶滅危惧種の保護」
- グループ2:テーマ「ポストSDGsの課題 - 若者にできる持続可能な社会づくり」
各グループに、大妻中野中学校・高等学校の生徒、東京都立山崎高等学校の生徒、玉川大学教育学部の学生が入り、高大連携の混成グループを結成し、テーマに関する議論と同時に、各グループ内で学校間交流を進め、連帯意識を醸成することができました。

– グループ1「生物多様性の保全に向けた絶滅危惧種の保護」の振り返り – 大妻中野が主導
グループ1では、「生物多様性の保全」をテーマに、生物多様性ホットスポットの中でも熱帯多雨林が原生する東南アジアエリアにターゲットを絞って、以下の①、②の二つの立場に分かれて議論を進め、双方の主張を確認したのち、どのようにすれば、生物多様性を維持し続けることができる生態系を確立しながら、現地の方々の生活も保障できるか議論を深めました。
① 絶滅危惧種や固有種の保護とその重要性を訴える保護団体の立場
② 経済的・文化的理由による人為的かく乱を起こしてしまう密猟団体や地元住民の立場
議論の末、動物を守るための植林活動が、土壌の形成や水質の維持などその他の環境要因にも作用していることがわかり、生態系の循環システムの複雑さに気が付いた一方で、経済効果を生み出している世界的な需要の集中とそれに応えようと供給を増やすことが、生態系の生産量を超えてしまっていることが原因であるということもわかりました。そのため、今回の議論の中で生徒が打ち出した解決案は、「世界的な需要と供給を、生態系の復元力の範疇に制限し、抑えたことによる経済損失をエコツーリズム事業でまかなえるよう推進することで解決に導ける」という提案を行いました。

今後、どのような新事業であれば持続可能な展開ができるか、現地の実際の様子も踏まえて議論を深め、具体案の提案を考えていくことへ発展させたいという展望が生まれた分科会となりました。

– グループ2「ポストSDGsの課題 - 若者にできる持続可能な社会づくり」の振り返り 都立山崎高等学校 主導
グループ2では、本大会が掲げる「ESDの20年とこれから」をもとに、ワークショップ「ポストSDGsの課題」を担当しました。分科会グループ2は、玉川大学教育学の学生をメンターとし、大妻中野中学校・高等学校と東京都立山崎高等学校の生徒、ユネスコスクール関係者の方々との8つのグループで構成されました。参加校の生徒や参加者は、グループごとに「ポストSDGsポスター」を題材に、2030年問題の課題について調査と課題解決に向けて活発な意見交換を展開することができました。
グループ活動での題材となったポスターでは、提案、行動を上段に設定し、グループテーマに対して課題発見から比較研究へとつなげました。SDGsの番号ごとの8テーマに対する新たな目標設定を促し、国際比較や多様な視点で分析した結果、「働き方と少子化の関連性」など、テーマを横断する事象に気づくことができました。

事後アンケートでは、参加生徒の約9割が「何らかの気づきを得た」と回答し、異校種や大人との討論の中で、課題に対する気づきが多く挙げられ多様な行動の変容が見らました。一方で、行動宣言が抽象的で、比較研究においても指標や根拠が不十分なケースが見られます。今後の展望としては、生徒一人ひとりが持続可能な社会の一員となるように、課題発見と課題解決に対し自分事にとらえ取り組めることを期待した大会となりました。
