Hope Soap ~石鹸に願いを込めて~


 私たち2年7組は石鹸班・募金班に分かれ難民支援のための活動をしてきました。6月に学校が始まってから、「いま、私たちにできることはなにか」「今年だからこそやりたいことはなにか」を一人一人が考え、調べ、プレゼンを行い、全員で「新型コロナウィルス対策のために、募金に石鹸を添えて寄付をする」という活動に参加することになりました。
 石鹸班は難民の方々の感染症対策のために手作り石鹸を作り、募金班は難民の方々に届ける街頭募金をしました。活動の一環として、石鹸と募金の寄付先である「特定非営利活動法人 難民を助ける会 AAR Japan」の中坪央暁さんに特別授業をしていただき、学んだことも掲載しています。ぜひご覧ください!

AAR Japanの支援活動

 AAR Japanは日本生まれの国際NGO団体で、緊急支援、地雷・不発弾対策、障がい者支援、感染症対策、啓発などの活動を行っているそうです。難民キャンプでの支援活動では、井戸やくみとり式トイレを作るなど、水および衛生に関する知識向上のための啓発活動も行っていることを知りました。外から丸見えの水浴び場に囲いを作る支援によって、「女性の尊厳が守られる」という意味があることを知り、支援とはどういうことなのかを考えさせられました。
 難民キャンプにウーマンフレンドリースペースやチャイルドフレンドリースペースを設けて、子どもと女性のために基礎知識や自己防衛のための知識を伝える活動を行っていることなど、私たちが想像することもできない活動の様子をたくさんの写真を交えて見せていただきました。

AAR Japanの新型コロナウィルス対策の支援

 難民キャンプでは、密が避けられないうえに衛生用品が不足していることから、新型コロナウィルス感染拡大が危惧されています。AAR Japanの支援活動として、衛生用品の配布や手洗い場の設置を行っている写真を見せていただきました。また、現地で売られているマスクは値段が高く買えない人も多くいるため、マスクの作り方を教える講座を開いていることを知ることができました。現在は、新型コロナウィルス感染症対策のため三輪バイクタクシーに啓発ポスターを貼り難民キャンプをまわり、呼びかけを行っているという写真が印象的でした。避難先で使われている言語で書かれているのではなく、難民の人々が読むことができる言語で書かれているということも知り、「現地の事情に寄り添った」有意義な支援とは何かを考えるきかっけをいただきました。

世界の難民問題

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、紛争や迫害で故郷を追われた人の数は、2019年末時点で約8,000万人います。「難民」とは紛争、迫害、民族弾圧により故郷を逃れ国外へと避難した人のことを言い、「避難民」とは故郷を離れざるを得なかったが国内にとどまっている人のことを言います。中東・アフリカ・アジアなどの紛争が絶えない現実から、難民・避難民は近年増え続けていることを学びました。世界の難民の3分の2はシリア・アフガニスタン・ミャンマー・南スーダン・ソマリアの5か国の国民であることが衝撃的でした。

ロヒンギャ難民問題

 ロヒンギャの人々は、主にミャンマー西部のラカイン州で暮らしていた、今は隣のバングラデシュに逃れている約100万人のイスラム系少数民族です。仏教国であるミャンマーでは、少数派であるイスラム教徒への宗教差別・民族差別が起こっており、ロヒンギャの人々は世界最大の無国籍集団となりその数は100万人を超えていることを知りました。

国際司法裁判所

 2017年ミャンマーでは、治安部隊によるロヒンギャの人々に対する弾圧・無差別虐殺が行われたとして、ミャンマー政府が「ジェノサイド」を行ったとして提訴されました。ジェノサイドとは、「特定の国民や民族などの断絶を目的とする集団殺害」のことを言います。
 国際司法裁判所は2020年1月、ミャンマーにロヒンギャ迫害に対する防止策をとるよう緊急的な命令を下し、その内容を定期的に報告するように命じましたが、これは仮処分にあたり、判決自体はまだ出ていないということです。迫害がジェノサイドかどうかは、今後も審議を行うため、結論が出るまでには数年かかるとみられていることにとても驚きました。
 実際、虐殺の真相は明らかになっておらず、国籍を得たり、土地などを取り戻せたりするのかがわからないことや、ミャンマーに戻っても再び迫害される恐れがあることなどから、無差別虐殺から3年たった今も、ほとんどのロヒンギャ難民はミャンマーに戻ってきていないそうです。

クイズ

(1) 世界中にどれくらいの数の難民がいるでしょうか。

(2) ミャンマー政府はロヒンギャの人々に「ジェノサイド」を行ったとして提訴されましたが、その後判決はどうなったでしょうか。

(3) AAR Japanさんが行っている難民支援に、どんな形で参加できるでしょうか。
  a.家にあるものを送る b.チャリティグッズを買う c.募金をする d.ふるさと納税を利用して寄付する

(4) 中野駅近辺で3日間行った募金活動で集まった金額はいくらでしょうか。

答えは一番下です♪

(1)の答え・・・2019年末時点で、約8,000万人
(2)の答え・・・まだ判決は下されていません。
(3)の答え・・・全部できるそうです!
(4)の答え・・・33,261円集まりました!


最後までご覧いただき、ありがとうございました!