妻中便り

望まれない「本番」のために(防災訓練)

文化祭の興奮が校内のそこかしこに漂う月曜日。

全力投球でおこなった準備の成果をすべて出し切った

心地よさが、片付けに励む妻中生の表情を明るいものに

しています。達成感や安堵感のゆえに、でしょうか、

疲れているはずの足どりも軽やかです。

 

その一瞬を最高のものにするために全身全霊をかける

「本番」もあれば、万全を期していたとしても、出来れば

迎えたくない「本番」もあります。

 

この夏、日本各地で甚大な被害をもたらした災害。

絶対に安全、ということがない以上、誰も望みはしない

けれど、「本番」で自らを、仲間を、家族を守る為には

訓練がどうしても必要です。

 

大妻中野では、中野消防署にご協力いただくことで、

6年間を通してさまざまな角度から「防災」への対応力を

高めていける訓練プランを実施しています。

 

東日本大震災のとき、都内で消火活動に携わられた

消防士さんの体験談からは、煙に巻かれること、口を

開けていたために煙を吸い込んでしまうことの恐ろしさが

切実に伝わってきました。

 

誰も望まない「本番」で、望みうるベストの対応をする

ために・・・。「訓練の成果が実を結ばないことが一番です」

と、最後に消防署の方がおっしゃった言葉は、まさに

すべての人の祈りだと言えるでしょう。

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