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St Andrews Seminar No.9

セント・アンドリュース・セミナー  9日目

8月1日(金)

 今朝は比較的暖かい朝。今日は26度まで上がりました。とにかく空が青い。太陽の光によってできる影の濃さ。影の輪郭のシャープな線。これもまた日本では体験できないものです。光と影の明確な境界線。日本ではこの線がとてもマイルドなんですね。でも、このマイルドさ、あいまいさが安心感を与えてくれることもまた事実です。日本へ帰りたい気持ちとここにもっといたい気持ちが、明確な境界線で対立しているのではなく、複雑に入り混じっているようですね。皆さん。

 日本語の森本先生のクラスを取っているセント・アンドリュースの11年生(高校2年生)には、本校の生徒の最低3人に日本語でインタビューをして、それをレポート用紙にまとめてきなさいという宿題が出されています。休み時間に、本校の生徒をつかまえて、日本語で一生懸命、質問をしてノートに書き取っています。私のところにもインタビューに来ました。「素晴らしい日本語だね。よくできています。これからもぜひがんばって。」と日本語で声をかけました。セント・アンドリュースの生徒もうれしそう。森本先生の指導に少しでも役立つことができたら、とてもうれしいのですが。

 ここまで、生徒が滞在している家庭のいくつかを、その家庭の保護者の了解をいただいて訪問しています。どの家も広い。大きい。ホストママ、パパとお話をして、生徒の様子などを伺っています。みんな家庭に慣れて、大丈夫、楽しくやっているよとのこと。ホストファミリーは、とても生徒に心を砕いて接してくれているのが伝わってきます。知っている限りの日本の知識を総動員して、日本のことを質問してくれたりしています。会話によってリラックスさせる技術をしっかり持ってます。

あるホストママは、真っ先に「この子は台所で手伝いをよくしてくれるのよ」と。ホームステイするときは、まず「ママと一緒に台所に立ちましょう。」とアドバイスしました。リビング・ルームでの話題は多種多様。英語表現も難しい。でも台所は、ノンバーバル(非言語)で十分にコミュニケーションできる場所です。食材の英語なんて、簡単なものが多いし、調理法はジェスチャーで十分。何より、ママの気持ちをぐっとつかんだら、その家庭のしっかりグリップしたことと同じ。これも世界共通ですからね。

 今日のセント・アンドリュース。学校日誌みたいな感じになってきました。毎日、こちらの学校の職員室に張り付いて、休み時間は大妻中野の生徒たちの様子を確認に学校中を探し回ります。なんか、毎日、セント・アンドリュース校の日直当番みたいです。

まず午前中、中国、マカオから48人の先生方の学校視察団が訪問。カソリック教育の関連での視察です。何人かの先生方と一緒にお話をさせていただきました。中国では、グローバルスタンダードの教育への取り組みを熱心にやっているのがよくわかります。

午前後半授業では、日本の千葉の高校3年生7名がセント・アンドリュースの幼稚園・小学校低学年での授業に体験参加。セント・アンドリュースは小学校高学年までは日本語が必修の学校。中等部から選択になります。だから小さい子は皆、日本語で挨拶ができます。たいへんにりっぱですよ。日本の千葉の高校の先生方も訪問。一緒にお話をさせていただき、大変に勉強になりました。

生徒の皆さんが出会った新しい人は、皆さんにとって新しいだけでなく、その人にとっても皆さんが新しいのです。皆さんが緊張して不安も感じているように、その人も同じなのです。あなたがあなたの世界の中心であると同じように、その人もその人の世界の中心です。コミュニケーションとは相手の中に写っている自分の像を意識することでもあります。

                             引率 水澤 孝順

今日も休み時間のひと時

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