妻中便り

知の言葉・愛の言葉(フランス語特別授業)

「ぼくらは今、この日本にいて、アウシュビッツを知ったほうがいいんだろうか?

ルワンダを知ったほうがいいんだろうか?」

子どもたちにとっては、ずっと昔。遠い国で、たくさんの命が無残に散ってしまった事実。

知らなくてもいい、とは答えにくいけれど、何故知ったほうがいいのか、とせまられると

返答に詰まる問いかけに、中学3年生の生徒たちは眉間にシワを寄せて顔を見合わせます。

問いかけの主は、先月の外国語発表会で審査員を務めてくださった、慶應義塾大学

総合政策学部の國枝孝弘先生。時折発されるフランス語の発音に3年間の学習成果を

感じさせる受講者は、GLC(グローバルリーダーズコース)の中学3年生です。

ある言語。それを話せなくても、聴き取れなくても、生きてはいけるのだけれど。

ある史実。それを知らなくても、知ろうとしなくても、未来は変わらないかもしれないけれど。

世界各地で通用する、論理的な「知の言葉」として、美しい響きと奥深い芸術性をもつ

「愛の言葉」として広く使われるフランス語。

3年間学んだからこそ、言葉の価値を見いだせる、スペシャリストの特別授業でした。

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