妻中便り

Burkina Fasoが近くなる(アンジェリーナ・ナナ氏講演)

「日本の女性は幸せだと思いますか?」

まだフランス語を履修していない中学3年生のフロンティアチームメンバーが、この日のために

懸命に調べてきたフランス語で質問しました。

すると、「Burkina Faso」のロゴが印象的なコットンの衣装に身を包んだアンジェリーナさんは

思いがけない角度から、答えを導いていらっしゃったのです。

 

「幸せだと思いますよ。だって、日本の女性はみんな、自分の銀行口座を持てるでしょう?

一家の主婦である奥さんが、旦那さんの銀行口座からお金を引き出して使うことだって

できるのでしょう?」

生徒たちはもちろん、参加してくださった保護者のみなさまも思わず息をのんでしまう、

遠いアフリカ、ブルキナ・ファソという国の現実。

妊娠・出産で毎年2,000人以上の女性が命を落とす、という事実を耳にすれば、どうしても

大妻中野6学年の総生徒数が約1,500人であることを思ってしまいます。

 

父母後援会の会長さんが、締めのご挨拶で「亭主元気で留守がいい」という日本の言葉

についてジョークを交えながら説明なさると、アンジェリーナさんはニッコリ。

日本では当たり前のこんな言葉。こんな言葉さえ、ブルキナ・ファソの人々が冗談で言える

ようになるためには、乗り越えなければならないものが山のようにあるのです。

日本に暮らす私たちが「日本人は恵まれている」と口にすることは、本当に簡単。

恵まれている日本の現実も、そうでない場所の真実も、きちんと見て聴いて知ることから

何かが始まります。

他愛ない冗談さえ、生まれた国の豊かさに裏打ちされていること。

知ることで、目の前に広がる世界はリアルな色を、カタチを、熱を持ちはじめるのです。

 

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